TOPコラムFP大家は「地震・災害リスク」をどう考える?【連載第14回】

コラム

2023年01月15日

FP大家は「地震・災害リスク」をどう考える?【連載第14回】

 

不動産投資オーナーの不安 その5:地震・天災リスク

前回までに「多くの人が陥る大家業の不安」というテーマで、「空室が続いたら」「家賃が将来下がったら」そして「金利が上昇したら」「将来的な修繕費」の内容に関してお伝えしました。

今回は「もし大地震が起きたらって思うと・・・」について、お伝えします。

2011年に発生した東日本大震災のような天災は、日本で暮らしている限り、いつ起きるか分かりません。だからこそ、不安に思う気持ちは分かります。

ただ、この不安も、前回のその4でお伝えした修繕と同じです。いつ起こるか分からないこと、自分ではコントロールできないことは、過度に考えすぎないことです。

大家業を営む心構えのひとつに、次のモノがあると私は考えています。

「意識をマイナス面ばかりに向けない」

大家業に限らず、投資全般、日常生活に至るまで、自分が興味、関心があるにもかかわらず、一歩進んで取り組めない方がいらっしゃいます。
その特徴のひとつに、プラス面よりもマイナス面に意識が向いてしまって動けなくなるということがあると感じています。

ただ、この話だけでは解決にならないので、具体例をあげてお伝えします。

区分マンションの場合、通常鉄骨・鉄筋コンクリートという堅固な構造で作られています。そのため、木造のアパートと異なり、火災が起きたとしても、上下左右の部屋へは多少影響があるかもしれませんが、大きなダメージにはなりにくいです。

天災に対する不安で、一番は地震だと思います。
その点に関しては、1981年6月1日以降に建築確認を受けて建てられた「新耐震基準」のマンションを選ぶことで、不安は軽減されると思います。

実際の所、先程あげた、東日本大震災の時でも、区分マンションの97%強が、「軽微な損傷」と「損傷無し」と報告されています。つまり、大多数のマンションは倒壊せず、無傷かそれに近い状態で残ったということです。

この事実を踏まえると、耐震偽装問題が起きたような、一部の例外的なマンションを除けば、地震による倒壊のリスクは、限りなく低いと私は考えています。

そうは言っても100%とは言い切れないので、地震保険に加入する、新耐震基準のマンションを選ぶ、耐震化工事が行われたマンションを選ぶことが、大家業を営む上での安心につながるのではないか、と私は考えています。

【連載第15回】へ続く

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