TOPコラム経験豊富な税理士が確定申告書の作成・書類準備をわかりやすくアドバイス!

コラム

2019年02月25日

経験豊富な税理士が確定申告書の作成・書類準備をわかりやすくアドバイス!

満員御礼となった確定申告セミナー

「リタイアしてからの人生が長くなるにつれ、年金削減や医療費の増加などの金銭的な不安は増すばかり。不動産投資で安定した収入を確保できたら……でも、いろいろな手続きが面倒なのでは?」と考えていませんか。

特に『確定申告』と聞くと、すでに物件をお持ちの方は「手間が掛かる」「また面倒な季節がやってきた」と思っている方も多いでしょう。また、これから不動産投資を始めたいとお考えの方にとっては「難しそう」「どうすれば良いのか分からない」と不安に感じられているのではないでしょうか。

2019年2月2日に開催された明光トレーディング主催セミナーでは、税理士法人TACの代表社員・我妻憲利氏を迎え、初めてでも簡単にできる『確定申告』のポイントを解説、アドバイスしていただきました。我妻氏は税理士法人を運営するだけでなく、一般国民・納税者サイドに立った政策提言も行うなど、各方面で精力的に活動されています。

■自己申告により「所得税」を決めるのが『確定申告』

まずは基本中の基本。『確定申告』とは何か。これをしっかり理解することで、書類の準備がスムーズになります。大半のサラリーマンなら、会社が「年末調整」というかたちで申告してくれますが、自身で事業をしていれば、自己申告をしなければなりません(自己申告納税制度)。給与所得を得ているかたわら賃貸収入を得ている人も、「不動産所得」として申告しなければならないわけです。

日本は、自分の税金は自分で計算して自分で納めるというのが基本。善良な納税者の自己申告に任せるという形をとっています。この『確定申告』により「所得税」が決まり、それによって「住民税」「国民健康保険」が確定しますので、個人事業者にとってとても大切な作業と言えます。

そもそも「所得税」は、全収入額から収入を得るための業務の際に支出した経費、生命保険や医療費、配偶者控除などの所得控除を差し引いた所得に対して課税されます。ですから、経費や所得控除の項目などの差し引けるものが抜け落ちたりすると、当然税額は多くなります。申告の際には、何が必要経費となるのか、自分が受けられる控除が何なのかをしっかりと把握することが重要と言えるでしょう。

確定申告について

確定申告のポイントについて講演する我妻氏

■売上額はきっちりと計算、経費額はこつこつと積み上げる

次に正しい確定申告のポイントですが、税務署は売上がきっちりしているかを注視します。売上の課税漏れというのは、最大で40%もの重加算税がかかりますので注意が必要。不動産に関して言えば、賃貸料、権利金、返還を必要としない保証金などの収入額を正確に記入することが第一歩です。

一方、経費に関しては、漏れていようが抜けていようが税務署はあまり気にしませんが、その収入を得るために社会通念上本当に必要だったか精査することは肝心です。この必要経費を、漏れなく積み上げていくことが、税金を安くすることにつながります。

例えば減価償却費、この時大事なのが契約書。売買した時の書類は、大切に保管しておきましょう。また、借入金の利息もきっちり経費として計上します。さらに、不動産取得税、固定資産税等の租税公課も整理しておいてください。

そのほか、管理費、修繕費、火災保険料、申告手数料など、不動産に投資しなかったら掛からなかったであろう費用はすべて経費となります。特に忘れがちな交通費や印紙代も含め、少額でもこれらをこつこつと積み上げることが賢い節税につながります。

受付対応

明光トレーディング社員による受付対応

■申告に必要な書類とその記入方法も、具体的に伝授

この後、申告する際に必要な基礎的な書類、加えて「不動産所得」に関係する必要書類について、収入額を証明するもの、控除を受けるために必要なものに分けて丁寧に説明。さらに、「申告書」「青色申告決算書」「不動産所得の収入の内訳表」「収支内訳書」「減価償却費の計算」等、税務署に実際に提出する書類を使いながら、具体的な記入方法も伝授。

特に「減価償却費」の計算については、「中古マンションのオーナーにとってはとても難しい作業。慣れるまでは税務署や税理士に相談することをお勧めします」とアドバイスしていただきました。

■「不動産所得」に特化した、学びの多いセミナーに

『確定申告』は、マンション経営を行う方にとって、とても関心の高いテーマ。それだけに、今回のセミナーでの「不動産所得」に特化した具体的な解説に、参加者の皆さんは、熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

またセミナー終了後には、我妻氏を含め2名の税理士が、参加者の方々の相談に個別に回答。相談者の方々は、昨年度の申告書や不動産取得に関連した実際の書類を持ち寄りながら、分からない点を熱心に質問。普段ではなかなか聞けない疑問を一つひとつ解消されていらっしゃいました。

個別相談

税理士による個別相談風景

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セミナー講師:我妻憲利(わがつま・のりとし)氏 プロフィール
税理士法人TAC 代表社員/税理士
国民税制研究所副代表、プライバシーインターナショナルジャパン事務局長

昭和55年2月に我妻憲利税理士事務所を開業。平成15年5月に法人化し、税理士法人TACを設立。関与先数は法人約300社、個人約400名。税務会計業務全般、相続・資産税業務全般に携わる。現在、国民税制研究所副代表として、税について「一般国民・納税者サイド」に立った税のあり方を研究、その成果を機関紙や意見書等で発行。また、プライバシーインターナショナルジャパン事務局長として「市民・納税者が主役」の社会を目指し、プライバシー保護活動と政策提言を行う。
【執筆著書】「図解 税金」、「アメリカ・カナダにおける納税者の権利保護制度と現状」、「オーストラリアの納税者番号制と納税者の権利」、「イギリスおよびスェーデンの税務オンブスマン」、「韓国の税務士制度と税務行政および税制」※すべて共著

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