インタビュー

企業成長に期待できる企業!株式会社アイリッジにインタビューしてみた!

編集者:Money Theory編集部
株式会社アイリッジ

今回は2015年に上場した「株式会社アイリッジ」にインタビューしてみました!

株式会社アイリッジの会社概要
社名 株式会社アイリッジ(iRidge, Inc.)
代表取締役社長 小田健太郎
設立 2008年8月29日
資本金 1,188百万円(2023年3月末現在)
証券コード 3917
上場証券取引所 東京証券取引所 グロース市場
所在地 〒106-0041
東京都港区麻布台1-11-9 BPRプレイス神谷町10F

貴社の事業内容を簡単に教えてください

当社は、OMO※事業とフィンテック事業を始めとした新規事業の2つのセグメントから成り立っています。

①OMO事業
一言で表すと「みんなが持っている生活密着アプリの開発・マーケティングを支援する事業」です。

スマートフォンアプリの開発を中心としたOMO領域でのマーケティング支援を行っており、特に、商業施設や鉄道、金融機関といったリアルな場所での消費者との接点を持つ業界の大企業をメインのお客様としています。

スマートフォンアプリ市場の黎明期からサービスを提供している業界のリーディングカンパニーとして、豊富なノウハウ(戦略・企画の策定から開発、グロースまで一気通貫で支援可能な体制など)をもった専任チームによる安心のサポート体制と高い信頼性を評価いただき、これまでに開発支援・サービスの提供を通じて300超のスマートフォンアプリを支援してまいりました。

株式会社アイリッジ 事業計画及び成長可能性に関する資料

事業計画及び成長可能性に関する資料 P13

また、マーケティング支援の領域をより広範にカバーする戦略のもと、2018年に株式会社Qoilを当社グループに迎え入れております。

今では、店舗・インターネット上の双方でスマホアプリが重要な顧客接点となっていますが、マーケティング施策はスマホアプリ分野だけではありませんので、同社が加わることで、店舗などリアル側の企画や制作といった領域を含め、販促支援をよりトータルサポートする体制を構築しました。

株式会社アイリッジ 事業計画及び成長可能性に関する資料2

事業計画及び成長可能性に関する資料 P15

②フィンテック事業、その他新規事業
フィンテック事業は、子会社の株式会社フィノバレーにてデジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」を提供しています。デジタル地域通貨とは、特定の地域でご利用いただけるスマートフォン専用のデジタル通貨であり、足元では、アフターコロナにおける地方経済の活性化施策として導入されています。

また、当社ではそのほかにも、DX分野において社内外人材の稼働管理やプロジェクトへのアサイン管理、プロジェクトの予算実績管理など、企業の開発プロジェクトにおける課題解決を支援するクラウド型ツール「Co-Assign(コーアサイン)」の提供、GX(グリーントランスフォーメーション)分野では企業のカーボンオフセット支援の取り組みをテクノロジーやプロモーション等で支援する「ゼロカーボンゴー!」などの新規事業を、OMO事業に次ぐ第二、第三の柱として育てるべく開始しています。

株式会社アイリッジ 事業計画及び成長可能性に関する資料3

事業計画及び成長可能性に関する資料 P16

株式会社アイリッジ 事業計画及び成長可能性に関する資料6

第16期第1四半期決算説明資料 P29

※OMO(Online Merges with Offline):オンラインとオフラインを連携させてマーケティング施策を行うこと

貴社サービスの強みを教えて下さい

・OMO事業
我々の提供価値は、アプリ開発の技術力の高さに加え、開発後には、その効果を最大限に向上させていくための、アプリに組み込む自社開発マーケティングツール「FANSHIP」を一緒に提供できることにあります。

「FANSHIP」により、ユーザーのアプリ内での動向を可視化することで、より効率的なマーケティング施策の運営を可能としています。

株式会社アイリッジ 事業計画及び成長可能性に関する資料5

事業計画及び成長可能性に関する資料 P7

このようなアプリ開発とソリューションを両方提供できる会社は希少と認識しています。また、アプリ開発の現場で各業界の最先端のニーズと常に向き合い続けているからこそ、高品質なソリューションが提供できており、両方を兼ね備えるメリット、強みが生まれています。

さらに今春からは、急激な時代の変化に迅速に対応するための次世代型アプリビジネスプラットフォーム「APPBOX(アップボックス)」も提供開始しました。

「APPBOX」はアプリユーザーから求められる「会員証機能」や「クーポン機能」といったスマホアプリの開発を行う上で、これまで案件毎にゼロから開発していた主要な機能をモジュール化したもので、30種類以上の各種機能群(SDK)を1つの機能から販売・提供しており、従来型のスクラッチ開発と比べて「スピーディな導入」「低価格」を、テンプレートアプリに比べて「高い拡張性」をそれぞれ強みとしています。

エンドユーザー企業は、これらのモジュールを自由に組み合わせることで、アプリのパッケージ導入/スクラッチ開発、既存アプリの機能拡張、マーケティング施策まで、アプリビジネスに必要な全ての支援を受けることができるようになりました。

また当社としては、APPBOXをエンドユーザー企業だけでなく、同業他社に販売・提供することで、当社が直接開発や運用に関与しない案件でも収益を得ることが可能になりました。

株式会社アイリッジ 事業計画及び成長可能性に関する資料7

第16期第1四半期決算説明資料 P21

・フィンテック事業
フィンテック事業で提供しているデジタル地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」は、短期間かつ安価でデジタル地域通貨サービスが開始できるプラットフォームシステムであり、スマートフォンアプリを使って、チャージから決済までを可能としています。

支払方法として二次元コード読取方式を採用しているため、店舗側での初期投資や手間がかからず導入できることが特長となっています。

また、当社の「FANSHIP」と組み合わせることでマーケティング機能を融合した決済基盤が構築でき、地域活性化への活用が期待されるものとなっています。

企業理念・企業目標について教えてください

当社は「Tech Tomorrow テクノロジーを活用して、わたしたちがつくった新しいサービスで昨日よりも便利な生活を創る。」をミッションに掲げており、私たちの生活のすぐ隣にある「もっと便利になったらいいのに」という思いを実現していくことにこだわっています。

これまで、OMO領域のリーディングカンパニーとして事業推進を強化しながら、リテールテックやフィンテック、MaaS、業務支援など、幅広い領域での新しい価値を創り出す取り組みを進めてきました。

企業目標としては現在、「2026年3月期売上高133億円」を目指しており、そのような中で、2024年3月期は「中期的な売上高成長率の加速実現のための投資の1年」と位置づけ、前述の新プロダクト「APPBOX」の市場浸透や新規事業への投資を進めています。

貴社の福利厚生制度について答えられる範囲で教えてください

福利厚生制度としては、従業員持株会や書籍購入補助、セミナー参加費補助に加え、関東ITS健康保険への加入、インフルエンザ予防接種や健康診断の会社負担などがあります。

また、働き方全般としては、フレックスタイム制やリモートワークの導入、採用力強化と働きやすさ向上を目的とした副業や地方移住などの多様な働き方を選べる人事制度の運用を行っています。

そのほかにもリモートワーク化のメンバー育成を促進する独自の1on1「IRDG Talk」を通じた社内コミュニケーションの活性化など、エンジニアを始め全社員にとっての働きやすさの向上を目指しています。

今後どのような企業に成長していきたいと思いますか?

今春、当社の中期的な成長ドライバーと位置付けているアプリビジネスプラットフォーム「APPBOX」の提供を開始しました。まずは、APPBOXへの投資を継続するとともに、市場浸透を進めていきます。

足元は想定通りの滑り出しとなっており、2023年8月にはNTTアドとの戦略的協業において「APPBOX」ソリューションの提供が始まっています。目標としては3年後に200社への導入を目指しています。

中長期的な視点としては、引き続き高い需要が続いているアプリ開発領域において、その効果の最大化を追求し、業界ごとのノウハウをしっかりと蓄積していきます。

また、消費者向けのアプリだけではなく、店舗や顧客情報の管理を行うことができる、スタッフ専用の情報端末(従業員向けアプリ)にもビジネスを展開していきます。

さらに、クライアント企業への支援を一層強化するため、例えば消費者の店内行動をデータ化するといった業務システムに近い分野にも裾野を広げています。

当社の顧客企業は、消費者とリアルな接点を持っているからこそ、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の余地がまだまだ多く残されていると考えています。

アプリ開発という側面では「都度受注による、フロー収益が積み上がっていく会社」だ、という印象を受けるかもしれません。

ですが当社は、開発後のアプリの成長支援等を通じたストック収益を積み上げていますし、新規事業の立ち上げを積極的に進めています。

このような戦略を通じ、SaaS企業として今後も着実に成長していきます。

個人投資家やサービス利用者に向けて一言お願いします

今では生活になくてはならない存在となったスマートフォン。

そしてスマートフォンは企業にとっても顧客との接点としてなくてはならない存在となっています。

DXやGXのみならず今後、ますます拡大していく市場の中で、引き続き業界のリーディングカンパニーとして大企業を中心に取り組みを続けていきます。

また、このような取り組みの中で培われたノウハウを活かし、さらに便利な明日の世の中を創り続けていきます。

アイリッジのこれからの取り組みにご興味を持っていただけますと幸いです。

RELATED POST