株式投資

分散投資のやり方は?リスクを減らすポイントやメリット・デメリットをわかりやすく解説

編集者:Money Theory編集部
分散投資とは?投資リスクを減らすポイントやメリット・デメリットをわかりやすく解説

投資の種類はいろいろありますが、多くの方はその中から一つを選んで資産運用をされているのではないでしょうか。

しかし投資にはリスクがつきもので、複数の方法や商品を組み合わせて資金を投資することで、投資のリスクを小さくすることができます。

これを一般的に分散投資と呼びます。

では、具体的にどの商品をどう組み合わせて分散投資すればいいのでしょうか。

そこで今回の記事では、分散投資について分かりやすく解説するとともに、投資リスクを軽減するための分散投資のポイントについて紹介していきます。

なるべくリスクを抑えて資産運用したいという方は是非目を通してみてください。

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分散投資をわかりやすく解説

分散投資とは、複数の投資商品に資産を分散して投資することを指します。

分散投資をすると何が良いのか、逆に一つの商品だけに投資するとどんなデメリットがあるのか、この章で解説します。

1種類の投資商品に資産を集中させてしまうと、値上がりしたときには大きな利益を得られるメリットがありますが、一方で値下がりしたときのリスクが大きくなってしまいます。

そのため、値動きの仕方が違う複数の投資商品に投資を行い、運用リスクをできるだけ分散させるのが分散投資です。

分散投資…あえて一つのものに集中させず異なる性質のものに分散して投資すること

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分散投資を詳しく解説

ここからは分散投資についてさらに詳しく解説していきます。

分散投資とは
  • 分散投資はリスク管理の基本
  • 分散するのは時間と資産

分散投資はリスク管理の基本

では、分散投資とはどのようなものか、詳しくご説明していきます。

突然ですが、皆さん株式投資で最も大切なことは何かわかりますか?

多くの株式投資初心者の方が「儲けること」であると思うのではないでしょうか。

しかし、実は株式投資で最も大切なことは「損をしないこと」なのです。

後程詳しくご説明しますが、株式投資には様々なリスクが付きまといます。

リスクは完全になくすことはできませんが、やり方次第で低減させることはできるのです。

そのリスク管理の基本が今回ご説明する「分散投資」です。

分散投資とは、その名の通り資産を様々な形で分散させることで、株式投資で起こりうるリスクを低減させる方法です。

分散投資の例

例えば、100万円の資産を投資する場合、

① A銘柄:100万円
② A銘柄:40万円、B銘柄:30万円、C銘柄:30万円

では、②の方が資産分散できているため、株価が値下がりした際のリスクが低減されますよね。

一極集中投資はリターンが大きくなる可能性は高まりますが、その分失敗したときのリスクも大きくなることを絶対に忘れてはいけないのです。

株式投資の格言「卵は一つのかごに盛るな」

ここで、株式投資の格言である「卵は一つのかごに盛るな」という言葉をご紹介します!

この言葉は株式投資を行っている方なら必ず一度は目にする言葉です。

意味をご説明します。

全部の卵を一つのかごに入れた場合、そのかごをひっくり返してしまったら卵は全部割れてしまいます。

株も同様で、1つの銘柄に資金をつぎ込んでしまうと、万が一その銘柄が暴落したら大きな損失を被ってしまいます。

そこで、いくつかのかご、つまり銘柄にわけて入れておくことで、リスクを分散することができるのです。

分散投資のすすめということですね。

株式投資をする際には、必ず頭の片隅に置いておいてください。

分散するのは時間と資産

株式投資におけるリスクはどのようなものかご理解していただけたのではないでしょうか。

では、このような株式投資で起こり得るリスクを避けるためには、何を分散投資すればよいのでしょうか?

今回は、資産ではなく株式投資に絞ってお伝えしていきます。

株式投資において分散するものは、主に「時間」と「資産」の2つです。

どういうことか、具体的にご説明していきます。

投資するタイミングを分散する「時間分散」

一つの銘柄を1回で買うのではなく、複数回にわけて買う方法があります。

時間分散です。

株価は常に一定ではありません。毎秒ごとに上げ下げを繰り返しています。

つまり株価が急に値下がりする「値下がりリスク」が常に潜んでいるのです。

そこで、複数回に分けて株を買うことで、株価の値下がりシルクを軽減します。

この投資手法を「ドル・コスト平均法」といいます。

ドル・コスト平均法…株式投資などの際に、定期的に一定金額分を買っていく方法。一定金額分を買うことにより、高値のときは少ししか買わず、安値のときに多く買うことができる

例えば、4か月間で1200円→1000円→1450円→700円と値動きをした銘柄を毎月1万円ずつ買ったとします。

各月に買える株は10株・12株・8株・20株で、1株あたり円で買ったことになりますよね。

このドル・コスト平均法を使うと、株価が高い時にたくさんの株を買うことがなくなります。

例えば、今回の例でいえば、株価が1450円で手持ち資金の多くを使ってしまうことはありませんよね。

特に初心者の方はどのタイミングでどれだけの株を買えばいいか分からない方が大半ではないでしょうか。

ドル・コスト平均法で投資すれば、大きな損失のリスクを回避することができるでしょう。

ちなみに、このドル・コスト平均法が最も効果を発揮するのは横ばいトレンドのときです。

株を、株価上昇時には少なく下落時に多く買うことで、平均単価を下げつつトレンドの転換を待つことができるからです。

複数の銘柄に投資する「資産分散」

まず、大前提として株式投資に使うお金は余裕資金で行いましょう

間違っても生活費から出してはいけません。

分散投資の考え方として、「資産三分割」という考え方があります。

全財産を「現金や預金」「不動産」「株などの有価証券」として三分の一に分けること、つまりバランスよく資産運用をするということです。

例えば、全財産を株式投資すべてにつぎ込んだ場合、うまくいけば大きな利益となりますが失敗したら全財産を失うことにもなりかねません。

必ずバランスよく資産を分散して、株式投資は余裕資金で行うようにしましょう。

また、この分散投資の発想は実際に株を買うときも持つようにしてください。

自身の資金をすべて失わないためにも、複数の銘柄を買うことでリスクの分散を行いましょう

なぜなら、1つの銘柄に集中して投資した場合、その銘柄で失敗したら全滅してしまうからです。

分散投資をする意味

先程から「リスク」という言葉が何度も登場していますが、「結局株式投で起こるリスクって何?」と思われている方も多いことでしょう。

リスクの内容をしっかり理解していなければ、正しい分散投資もできません。

そこで、ここからは株式投資で確実につきまとう3つのリスクをご紹介していきます。

分散投資をする意味
  • 株価値下がりリスクに備えるため
  • 企業の倒産リスクに備えるため
  • 株式の流動性リスクに備えるため

それぞれ順番に詳しくご説明していきます。

株価値下がりリスクに備える

株式投資で起こり得るリスク1つ目は、株価値下がりリスクです。

株価値下がりリスクとは、買った株が値下がりしてしまい、買い値より低い金額でしか売れなくなってしまうことです。

いわゆる「元本割れ」という状態です。

株式投資のリスクのなかで最も代表的なもので、投資家が一番対策をとるべきリスクです。

この値下がりリスクが、株が怖いというイメージを持たれてしまう大きな要因です。

たとえば、100万円で購入した株が株価暴落にともない70万円の価値になってしまった場合、30万円も損をしてしまうことになります。

株は、通貨と違い額面の価値が変動します。1万円の通貨には常に1万円の価値がありますが、1万円分の株は、10万にも1000円にもなる可能性があるということです。

株には普遍的な価値はないことを理解した上で投資することが大切だということですね。

企業の倒産リスクに備える

株式投資で起こり得るリスク2つ目は、企業の倒産リスクです。

保有している株を発行している会社の業績が悪化すると、株価は下がります。

さらに、会社が倒産してしまった場合、株価は下がるどころか価値がなくなってしまいます。

何十万、何百万で買ったものがただの紙切れになってしまうのです。

株には常に価値が0円になってしまう可能性があることをしっかり理解しておくことが大切です。

また、このような企業の倒産リスクを防ぐには、今回ご紹介する分散投資ももちろん有効です。

しかし、それ以前の株式を購入する段階で、短信決済などで倒産シグナルがないか確かめることが最も有効であると言えるでしょう。

株式の流動性リスクに備える

株式投資で起こり得るリスク3つ目は、株式の流動性リスクです。

流動性とは、株式の売買のしやすさのことを言います。

株式売買は売り注文と買い注文の需要と供給が一致することで初めて成立します。

ある銘柄を売りたい人が多くいても、買いたい人がいなければ売買が成り立ちません。この状態を流動性が低いと言います。

流動性が低い銘柄だと、売りたい値段よりも低い値段でしか売ることができません。これでは儲けることは難しいですよね。

流動性が高い銘柄を選んだ方が無難だということです。

  • 流動性が高い…人気があり売買が盛ん
  • 流動性が低い…任意がなく株を売るのが困難

分散投資のメリット

分散投資のメリットについて改めて確認しておきましょう。

特に初心者や日々忙しい投資家にとっては、リスクをコントロールしながら資産を効果的に成長させるために役立つ方法となりますからね。

分散投資のメリット
  • 投資リスクを低減できる
  • 売買タイミングに悩まない

投資リスクを低減できる

分散投資の大きな利点の一つは、全体の投資リスクを減少できることです。

すべての資金を一つの投資先に投じると、その運用が不利になった場合、大きな損失を被る可能性が高まります。

しかし、資金を複数の投資先に分けることで、一つの失敗が全体に与える影響を抑えられます。

それにより投資の安定性が増し、持続可能な利益を狙う機会も増えます。

この手法は資産の成長を目指すだけでなく、予期せぬリスクから資産を保護する方法としても有効です。

売買タイミングに悩まない

分散投資のもう一つの利点は、投資のタイミングについてあまり悩まなくて良くなることです。

単一の銘柄や資産に依存する投資スタイルでは、売買のタイミングの正確さが極めて重要です。

そのためマーケットの動きを頻繁にチェックし、多くの時間と労力をかける必要があります。

しかし資金を複数の投資先に分散させることで、短期的な価格の変動に過度に反応する必要が減ります。

特に日々忙しい人々や投資初心者にとっては、資産運用を行いやすくなるためメリットとなります。

分散投資のデメリット

分散投資のデメリットについても解説します。

これらのデメリットも理解した上で分散投資を行うことが、失敗のリスクを最小限に抑える鍵となります。

また投資先の選定や資産の配分に慎重になることで、これらのデメリットをある程度は軽減することが可能です。

分散投資のデメリット
  • 管理の手間がかかる
  • 短期間で大きな利益は狙いにくい

管理の手間がかかる

分散投資の一つ目のデメリットは、管理の手間が増える点です。

複数の投資先に資金を振り分けると、各投資先のパフォーマンスやリスク状況を継続的に確認する必要が生じます。

特に個別株や不動産、特定の資産クラスに多くを投資する場合、それぞれの情報収集と分析にはかなりの時間と労力がかかります。

また分散投資先が多ければ多いほどこの手間も増えます。

その結果として、リスクをしっかりと把握するのが難しくなることもありえます。

自分が継続的に追いかけることができる数に投資することが、分散投資の成功にとって重要なポイントとなります。

短期間で大きな利益は狙いにくい

もう一つのデメリットとして、分散投資は短期間での大きなリターンを狙うには不向きです。

例えば特定の株や仮想通貨が大幅に価格を上げた場合、最大の利益を得られるパターンは、その資産に集中投資している時です。

しかし分散投資をしている場合、そのような大きなリターンは投資全体で抑えられてしまう効果があるため、高い利益率を出すのが難しくなります。

分散投資は基本的に、リスクを分散させることで長期的な安定したリターンを求める戦略であり、短期的な大勝負には向いていないのです。

分散投資のポイント

ではここまでの内容を踏まえ、効果的に分散投資するためのポイントをまとめます。

分散投資のポイント
  • 株式投資での銘柄分散の組み合わせ
  • 流動性リスクへの備え方

株式投資での銘柄分散の組み合わせ

では、どのような組み合わせで分散投資すればいいのでしょうか。

以下に例を挙げたので参考にしてください。

  • 同業種ではなく他業種に分ける
  • 円高に強い内需関連株・円安に強い輸出関連株といった逆の動きをしがちな銘柄を買う
  • 業績が安定している優良株・成長が期待できる新興市場株に分けて買う

このように、どちらかの株価が下がってしまっても、もう片方で損失をカバーできるような組合せにするとよいでしょう。

流動性リスクへの備え方

流動性リスクには主に2つのパターンがあります。

1つめは、銘柄に人気がない場合です。

基本的に人気がなく流動性が低い銘柄も多く存在しています。そのような銘柄は、自分が売りたいと思ったときに他の投資家が安い値を提示して買いの意思を示している場合が多いです。その場合、提示された金額で売らなければなりません。

2つめは、銘柄の流動性が一時的に低くなる場合です。

例えば、ある会社の業績が悪化したというニュースが流れたとします。その次の日にその銘柄に売りが殺到した場合、売買が成立しないのに株価だけが下がっていく現象が生じます。

株式取引において流動性はとても重要なものなのです。

分散投資におすすめの金融商品

株式投資は多くの方が取り入れているポピュラーの投資商品ですが、ここからは株式投資以外で分散投資におすすめの商品を紹介します。

下記の金融商品はそれぞれに特有のメリット・デメリットがありますが、相互に補完する性質も持っています。

そのため、投資信託で株や債券などに分散投資を行い、さらに純金積立投資で資産を安定させるという形がおすすめです。

分散投資におすすめの金融商品
  • 投資信託
  • 純金積立投資

投資信託

投資信託は、多くの投資家から資金を集め、専門家がその資金を多様な銘柄や資産に投資する金融商品です。

この商品の最大の利点は、少額から投資が始められる点と専門家が資産を管理してくれる点です。

月々1,000円程度からでも参加できるプランがあり、投資初心者や元手が少ない人でも簡単に分散投資を実践できます。

また、国の税制優遇制度である「つみたてNISA」にも対応している投資信託は、長期的な分散投資に特に適しています。

プロがマーケットの動きに応じて投資バランスを調整するため、投資家個人が常に市場を監視する必要がありません。

分散投資の候補としても比較的導入しやすいでしょう。

純金積立投資

純金積立投資は、一定期間ごとに純金を購入することで資産を形成する手法です。

比較的少額から始めることができ、価格が下がった際には多く、価格が上がった際には少なく購入することで平均取得価格を抑える効果があります。

さらに、金は株や他の資産とは異なる特性を持つため、ポートフォリオ全体のリスク分散にも向いています。

また純金積立投資は、インフレリスクや金融市場の不安定性に対するヘッジとしても有効とされています。

純金積立投資におすすめの証券会社を紹介!選び方のポイントやメリット・デメリットも解説

分散投資におすすめの証券会社

ここからは分散投資におすすめの、取扱金融商品が豊富な証券会社を厳選して紹介します。

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分散投資におすすめの証券会社
  • moomoo証券
  • 楽天証券
  • SBI証券
  • 松井証券

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分散投資に関するよくある質問

分散投資に関するよくある質問と回答を紹介します。

分散投資に関するよくある質問
  • 分散投資とは?
  • 分散投資のメリット・デメリットは?
  • 分散投資におすすめの投資商品は?

分散投資とは?

分散投資というのは、単一の投資先に依存せず、複数の異なる資産や投資商品に資産を分けて投資する手法です。

これにより一つの投資先が急落した場合でも、他の投資先でリスクを相殺または緩和できる可能性が高まります。

分散投資は特に、リスクマネジメントしながらの資産成長を期待する投資家にとって有効な手段とされています。

分散投資のメリット・デメリットは?

分散投資の主なメリットは、下記の通り。

  • 投資リスクを低減できる
  • 売買タイミングを短期的に見極めなくていい

投資リスクを低減できるだけでなく、資金を複数の投資先に分散させることで、短期的な価格の変動に過度に反応する必要が減ります。

特に日々忙しい人々や投資初心者にとっては、資産運用を行いやすくなるためメリットとなります。

一方デメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 投資商品の数だけ管理の手間がかかる
  • 短期間で大きな利益は狙いにくい

複数の投資先を一括で管理する手間が増加する点や、リスクを減らす反面、大きな利益を短期間で期待するのが難しいという点がデメリットです。

分散投資におすすめの投資商品は?

株式投資は多くの方が取り入れているポピュラーの投資商品ですが、それ以外で分散投資におすすめの投資商品には、投資信託と純金積立投資があります。

投資信託は、プロのファンドマネージャーが様々な資産に資金を分散投資するもので、一般的に投資の中でもリスクが低いとされています。

純金積立投資は、金価格の安定性を活用して資産を守る方法とされており、他のリスキーな投資とバランスを取るのに適しています。

これらは各々特有のメリットとデメリットがありますが、相互に補完する性質があるため、組み合わせて使用することでより堅実な資産運用が可能です。

分散投資はリスク管理の基本

分散投資の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。

投資を始めるなら、自分の身を守るためにも分散投資はぜひ注目していただきたい投資法です。

投資信託など、比較的簡単に分散投資を実践できる投資商品も多いです。

分散投資でリスクを抑えつつ、長期的な投資で資産を増やすことを検討してみてください。

  • 「分散投資」とは、資産を分散して投資することでリスクを軽減する方法
  • 株式投資には、「株価値下がりリスク」「企業の倒産リスク」「株式の流動性リスク」の3つのリスクがある
  • 分散投資は「時間分散」と「資産分散」の考え方がある

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